長女の学校選び(6歳)

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長女の学校選び

年長の秋、長女はWISC検査を受けました。
結果は、全体の知能指数が89。
平均よりやや低めで、特に「視覚処理」と「言語理解」に大きな差があり、その凸凹の幅は30ありました。

検査を実施した教育委員会の担当者からは、
「これくらいの差であれば普通級でいけます。テスト中も落ち着いて受けられていたので、長女さんは普通級で頑張っていけますよ」
と言われました。

当時の私は、医療ともまだつながっておらず、その言葉をそのまま信じました。
「大丈夫なんだ」「普通級でいけるんだ」と、安心したのを覚えています。

一方で、療育の先生からはこう言われていました。
「迷ったら、まず支援級から始めたらいいですよ。そこから必要に応じて交流を広げていけばいいんです」
けれど、そのときの私はどうしても納得できませんでした。
“知的に遅れがないのに支援級へ行く”ということが、まるで何かを諦めるように感じてしまったのです。
「うちの子はそこまでじゃない」「普通のクラスでやっていけるはず」──そんな気持ちが強くありました。

さらに通学予定の小学校は、当時ほとんど交流級がなく、支援級は支援級だけで授業も行事も完結しているような環境でした。
学習発表会も支援級は支援級だけで行われ、他のクラスとの関わりはほとんどないと聞きました。
その“隔離された雰囲気”に強い抵抗があり、支援級という選択を現実的に考えられませんでした。

学校見学の際、長女は楽しそうに校内を歩き回り、
「人がいっぱいで楽しいクラスがいい!」と笑顔で言いました。
その言葉を聞いた瞬間、私の中の迷いは一度に吹き飛び、「普通級でやっていこう」と決めました。

この学校以外を選ぶ選択肢もありました。
通いやすさ、サポート体制、雰囲気──すべてのメリットとデメリットを何度も比べました。
それでも最終的に、「この子が望む環境でスタートさせたい」という気持ちを優先しました。

今でも、あのときの判断を思い返すことがあります。
やり直せるなら、もう一度あの春に戻って、学校選びから考え直したいと思うこともあります。
けれど、あのときの私は、あのときなりに必死で、最善を選んだつもりでした。

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