パニック障害を発症してから、 私の「移動」は一気にハードルが上がりました。
周囲の人からは、
「バスや電車で発作が出たらどうするの?」
と、ひどく心配されました。
正直、 その心配はもっともだと思っていました。
実際、私は3月にパニック障害になってから、 公共交通機関にほとんど乗らずに生活していたからです。
何の気なしに乗った地下鉄で起きたこと
そんな私が、 家庭内トラブルの関係で弁護士相談に行くことになり、 ある日、何の気なしに地下鉄に乗りました。
「大丈夫かどうか」 を試そうとしたわけでもなく、
ただ、 行かなければならなかったのです。
地下鉄に乗ってしばらくすると、 胸が苦しくなり、 呼吸が浅くなっていくのを感じました。
「あ、来るな」
そう思ったときには、 すでに体が強く反応していました。
降りてから、できることをする
私は次の駅で降り、 すぐに頓服を飲みました。
そのまま目的地へ向かい、 弁護士事務所に着いてからは、 10分ほど横にならせてもらいました。
完全に楽になったわけではありません。
それでも、
「発作は起きたけれど、対処できた」
という経験は、 私の中に静かに残りました。
公共交通機関に乗るときのパニック障害の対策
主治医やこれまでの経験から、 私が意識している対策をまとめます。
① 逃げ道を先に確認する
- 次に降りられる駅
- トイレの場所
- ベンチや休めそうな場所
「逃げられる」と分かっているだけで、 不安は少し下がります。
② 頓服はすぐ出せる場所に
バッグの奥ではなく、 すぐ手が届く場所に。
持っているだけでも、 安心材料になります。
③ 発作が出ても「死なない」と知っておく
パニック発作は、 非常に苦しいですが、
命に関わるものではない
と医師から説明を受けています。
この事実を思い出すだけで、 波が少し下がることがあります。
④ 目的は「完璧に乗る」ではなく「途中で降りてもOK」
最初から最後まで乗り切ろうとしない。
- 1駅でも乗れたら十分
- 降りたら失敗ではない
そう考えるようにしました。
⑤ 発作後に休める場所を確保する
- 到着後すぐ横になれる
- 静かな場所がある
これも、大切な準備です。
⑥ 飴をなめる・口に刺激を入れる
発作の前兆を感じたとき、
- 飴をなめる
- ミントタブレットを口に入れる
など、口の感覚に刺激を入れると、 意識が「苦しさ」一点に集中しにくくなります。
呼吸が乱れそうなときにも、 ゆっくりなめることでリズムを取り戻しやすくなりました。
⑦ 涼しい風を浴びる
- 駅のホームで風が通る場所に立つ
- ハンディファンを使う
- 首元に風を当てる
体が熱を持つ感覚が強いと、 不安も増幅しやすくなります。
涼しい風を感じることで、
「今ここにいる」「息ができている」
という感覚を取り戻しやすくなりました。
おわりに
パニック障害のある人にとって、 移動は日常でありながら、
小さな挑戦の連続です。
「できなかったらどうしよう」ではなく、
「出たら、対処すればいい」
そう思えるようになるまで、 時間はかかりました。
あの日、 地下鉄に乗って発作が出たことは、 決して成功体験ではありません。
でも、
「それでも何とかなる」
という感覚を、 確かに残してくれた出来事でした。



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