夫と出会った頃の私。孤独を埋めたかった

これから少しずつ、私と夫の関係について振り返っていきたいと思います。

夫は、のちに自閉症の診断を受けることになります。

けれど、それがわかるまでには、長い時間がかかりました。

夫との生活の中で感じた苦しみ、誰にもわかってもらえない孤独、そして、どうしてうまくいかないのだろうという葛藤。

当時の私は、夫の特性について何も知りませんでした。

ただ、目の前の夫との関係に悩み、どうにかうまくやっていこうと必死でした。

今回は、そんな夫と出会った頃の話から始めたいと思います。

大学時代、夫との出会い

私と夫は、大学時代に同じアルバイト先で知り合いました。

当時、お互いに彼氏や彼女がいました。

廊下ですれ違えば挨拶をしたり、ちょっとした雑談をしたり。

その程度の関係でした。

特別に仲がよかったわけでもなく、まさか将来、結婚することになるとは思ってもいませんでした。

その頃の私にとって、夫はただの知り合いのひとりにすぎなかったのです。

私がずっと抱えていた孤独感

私は、思春期の頃から、ずっと孤独感を抱えていました。

金銭的には、比較的恵まれた家庭に生まれました。

衣食住に困るような生活ではありませんでしたし、外から見れば、何不自由なく育ったように見えたかもしれません。

けれど、私の中には、ずっと満たされないものがありました。

それは、心の交流でした。

子どもの頃、親に自分の気持ちを聞いてもらえたという実感が、あまりありませんでした。

頭ごなしに叱られる。

自分の気持ちを伝えても、認めてもらえない。

どうしてそう思ったのか、何が悲しかったのか。

そんなことを聞いてもらう機会も、十分にはありませんでした。

子どもだった私には、自分の気持ちをどう表現すればいいのかも、よくわかりませんでした。

ただ、わかってほしかった。

自分の気持ちを受け止めてほしかった。

そんな思いが、ずっと心の中にあったように思います。

そして、思春期になる頃には、その満たされない気持ちは、強い孤独感になっていました。

恋人がいることで、孤独を埋めていた

高校生の頃から、私は彼氏がいる時期が途切れることなく続いていました。

恋人がいると、ひとりではないと思えました。

自分を必要としてくれる人がいる。

自分のことを好きだと言ってくれる人がいる。

誰かとつながっている。

そんな感覚が、私の孤独を少しだけ和らげてくれていたのだと思います。

私は、恋人がいることで、心の中にあった寂しさを埋めようとしていたのかもしれません。

けれど、当時の私は、そんな自分の心の状態を理解していませんでした。

ただ、恋人がいれば幸せになれると思っていました。

相手がどんな人なのか。
自分と本当に合う人なのか。
一緒にいて安心できる関係なのか。

そういったことを、冷静に見極める力は、まだ十分にありませんでした。

28歳の頃、ひどい失恋をした

28歳くらいの頃、私はまた恋愛で大きな傷を負うことになりました。

当時付き合っていた彼氏の夜遊びに気づいたのです。

それまで私は、相手の人柄をしっかりと見極められていたわけではありませんでした。

今思えば、私自身、まだまだ未熟だったのだと思います。

恋人がいることで孤独を埋めようとしていた私は、相手との関係そのものを、冷静に見ることができていなかったのかもしれません。

そして、その彼氏との別れは、私にとって、とてもつらいものでした。

ひどく傷つきました。

恋人を失った悲しみだけではありません。

またひとりになってしまった。

また、あの孤独に戻ってしまう。

そんな気持ちもあったのだと思います。

私は、必死でした。

どうにかして、この寂しさを埋めたい。

誰かとつながっていたい。

そう思いながら、携帯電話の連絡帳を眺めていました。

今のように、SNSで気軽に誰かとつながれる時代ではありません。

携帯電話に登録されている名前をひとつずつ見ながら、誰か連絡できる人はいないだろうかと考えていました。

そんなとき、ふと目に留まった名前がありました。

大学時代、同じアルバイト先で働いていた男性。

今の夫でした。

大学時代は、廊下ですれ違えば挨拶をする程度の関係。

特別な思い出があったわけでもありません。

それでも、私は夫の連絡先を見つめていました。

あのとき、どんな気持ちで連絡先を眺めていたのか。

今となっては、いろいろな思いが重なっていたように感じます。

ただ、ひとつ確かなのは、私はあの頃、ひどく孤独だったということです。

そして、その孤独をどうにかして埋めたいと思っていました。

まさか、あのとき連絡先を眺めていた相手と、のちに結婚することになるとは。

そして、その結婚生活の中で、私は自分でも想像していなかった苦しみや葛藤を抱えることになるとは。

あの頃の私は、まだ知る由もありませんでした。

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