初診が突然キャンセルになり、目の前が真っ暗になった翌日。
病院から、再び電話がかかってきました。
診察を予定していた先生は、急病のため、依然として診察ができない状態とのことでした。
やはり、予定されていた先生に診てもらうことはできません。
「やっぱり、また一から病院を探さなければいけないのかな……」
そんな思いが頭をよぎりました。
ところが、電話口から続けて告げられたのは、思いがけない言葉でした。
「院長先生が、代わりに診察を引き受けてくださることになりました」
その言葉を聞いたとき、心からほっとしました。
そして、本当にありがたいと思いました。
実は、その病院の院長先生は、ただでさえ患者さんが多く、普段は初診の患者さんを受け付けていない先生でした。
そんな院長先生が、今回、夫の診察を引き受けてくださる。
あれだけ病院を探してもなかなか受診先が見つからなかった私たちにとって、それは本当にありがたいことでした。
「ありがとうございます」
電話口で、何度もお礼を伝えました。
前日の電話では、あまりにも突然のことで、これからどうしたらいいのか分からなくなっていました。
けれど、一晩経って、また思いがけない形で道が開けたのです。
もちろん、夫の状態が良くなったわけではありません。
問題が解決したわけでもありません。
それでも、
「ようやく病院につながることができる」
そう思えるだけで、当時の私には大きな希望でした。


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