少しずつ、入院へと気持ちが傾いていった

主治医から入院を勧められたからといって、夫がすぐに入院を受け入れたわけではありませんでした。

夫にとって、精神科病院へ入院するということは、簡単に受け入れられるものではなかったのだと思います。

それまで「まだ家で過ごしたい」と考えていた夫。

入院という言葉に対する不安や抵抗も、当然あったのだと思います。

私も、義母も、そして訪問看護師さんも、それぞれ夫に入院について話をしました。

「今は一度ゆっくり休んだほうがいい」

「家で無理をして過ごし続けるよりも、専門的な環境で治療を受けたほうがいいのではないか」

誰か一人だけが繰り返し説得するのではなく、夫が信頼している人たちが、それぞれの立場から夫に思いを伝えました。

すぐに夫の気持ちが変わったわけではありません。

それでも、信頼している人たちから同じように入院を勧められたことは、夫の心に少しずつ届いていったようでした。

「自分はそれほど悪い状態なのだろうか」

「入院したほうがいいのかもしれない」

そんなふうに、少しずつ夫の気持ちは変化していきました。

そして、長い時間をかけて考えた末、ついに夫は入院することに合意してくれました。

私たちにとっては、ようやく前に進めるという安堵の瞬間でした。

けれど、夫本人にとっては、決して簡単な決断ではなかったと思います。

自分が精神科病院に入院する。

それを受け入れることは、きっと大きな葛藤を伴うものだったはずです。

当時の夫がどれほど苦しかったのか、そのすべてを私が理解することはできません。

ただ、混乱し、不安定な状態の中で、それでも「入院する」という決断をしたこと。

それは夫自身にとっても、精一杯の決断だったのではないかと思っています。

こうしてようやく、夫自身の同意のもと、入院に向けて動き出すことになりました。

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