入院先の病院に到着しました。
車を降り、受付へ向かいました。
これまで何度も話し合い、ようやく夫自身も入院に同意してくれました。
それでも、実際に病院へ到着すると、夫の不安はさらに強くなっているように見えました。
受付を済ませている間も、夫はそわそわとしていました。
じっと座って待っていることができず、あたりを歩き回ります。
落ち着かない様子が、その姿からも伝わってきました。
しばらくすると、看護師さんがやってきました。
まずは体温を測り、その後、持参した薬の確認が始まりました。
慌ただしく荷造りをして病院へ向かったため、持ち物の確認も十分ではありませんでした。
そのときでした。
夫が普段服用していた、心療内科で処方された薬が見当たりませんでした。
「あれ? 薬がない」
夫は一気に動揺しました。
突然決まった入院。
急いで荷造りをして家を出てきた。
持ち物がすべて揃っているのか、誰にも確信はありませんでした。
すると看護師さんが、
「お薬、持ってこなかったんですか?!」
と、やや強い口調で夫に尋ねました。
その言葉が、夫には強い刺激になったのかもしれません。
それまで不安そうに落ち着かない様子だった夫の表情が、変わりました。
まるで、何かのスイッチが入ったようでした。
夫は一気に、攻撃的な態度へと変わっていきました。
それまで泣いたり、不安を口にしたりしていた夫。
けれど、その瞬間から、まったく違う様子になってしまったのです。
私は、その変化を目の前で見ながら、
「また始まった」
そう感じました。
夫の感情が、ほんの些細なきっかけで大きく変わる。
そして、一度怒りに切り替わると、なかなか元に戻らない。
入院初日から、私たちは夫のそんな状態を目の当たりにすることになりました。
このあと、夫の怒りはさらに強くなっていきました。


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